高知家の女性しごと応援室通信

「手が届かない」と思っていた世界に一歩に近づきました!相談者:Iさん(30代)

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栄養士として働いていたIさん。3人目のお子さんが生まれ、子育てを大事にする働き方を考えるようになり、「高知家の女性しごと応援室」へ。休日やキャリアアップを考えながら長く働ける職場を探し、自分の道を模索。内に秘めていた「本当にやりたいこと」に気づき、憧れのパティシエに一歩近づく仕事に巡り合いました。

子どもとの時間を大切にしたい

――高知家の女性しごと相談室での相談に至ったきっかけを教えてください

Iさん 最初に訪れたのは2023年の12月で、3人目の子どもが生まれてしばらく経った頃です。まだ育休中でしたが、仕事復帰への不安があり、話を聞いてもらいたくて訪れました。

 私は短大を卒業後、保育園の調理員をはじめ、栄養士としてずっと働いていました。休むと仕事がどんどんたまり、残業せざるを得ない状況でした。復帰が近づくにつれ、幼い子どもを抱えて働けるだろうかと不安が大きくなったんです。以前、姉も女性応援室にお世話になり、存在を知っていたので早めに相談しました。

藤本(キャリアコンサルタント) 在職中であることと、調理員の経験もあり、その場合は残業がないということを伺って、「一時的に調理員として働けるよう人事に相談できないでしょうか?」というお話をしました。他の求人も見ておられましたが、その時はまだ栄養士を辞めるというところまでの気持ちがなかったように思います。その後、次の来室までしばらく時間が空きました。

Iさん 復職にあたって上司と話し合いをする中で、土日祝の出勤は回避できないということと仕事と育児の両立が厳しいと思い退職しました。本格的に仕事を探すために、2024年11月に再度女性しごと応援室を訪ねました。

藤本 退職されたということで、今後のことを相談しました。栄養士という専門職で就職を探すとなると、やはり同じような条件になってしまうので、他の職種にも視野を広げてみましょうということで、職業適性診断を使ってIさんの得意なことや強みを探っていきました。同時に、どんな働き方がよいのか、ご自身が望むワークライフバランスについても整理していきました。

家庭を第一に考え、「土日祝休み」を条件に

――栄養士から他の職種に変わることについて、どのようにお考えでしたか?

Iさん 適性診断で、事務職をはじめいろいろな職種が出てきて、「ああ、そうなんだな」と思いました。栄養士を離れることについてはそれほど抵抗はありませんでした。栄養の勉強をしているといろいろな考え方があり、一体何が正しいんだろう…という思いが年々強くなり、ずっとモヤモヤしていたんです。違う職種を経験したいという思いがあったことも、女性しごと応援室に相談をした一つの理由です。

 長く働きたいという思いがあり、子どもが幼いうちはパートでもスキルを積んで正社員になれればいいなと思っていました。探していくうちに、ある工場ではんだ付けの工程をするスタッフの募集があり、興味を持ちました。中学の授業でやったはんだ付けがとてもおもしろかったことと、そもそもものづくりが好きで、ずっと同じ作業をするのも苦ではありません。そう思って会社見学に行ったのですが、今度は働き方の部分で自分のライフプランには合わないなと思って断念しました。

藤本 働きたい思いはあっても、目の前の生活があります。子どもに手がかかる時期に、どういう働き方、どういう仕事を選ぶのか。本当に悩まれていたと思います。

Iさん そうこうしているうちに、市役所から「今月末までに仕事が決まらなければ退園になる」と連絡がありました。求職活動中であれば退園にはならないと思っており、先の事を考えて慎重に仕事選びをしていた私にとっては、あまりに急な知らせでした。とりあえずアルバイトを探すことにしました。ネットで探して2件応募したのですが、面接まで日にちがかかったり、なぜか応募条件が違っていたりでうまくいかず、また女性しごと応援室を頼ることにしました。

見えてきた新たな方向性

――初回からIさんのお気持ちもずいぶん変わってきたと思いますが、3回目はどのようなサポートをされたのでしょう?

藤本 Iさんがアルバイトを探す中で問い合わせをした先に、ケーキ店がありました。そこは、週末のみの求人だったので断念したと伺いました。料理やお菓子作りが好きなので応募を考えたとのことでしたが、女性しごと応援室で探しているのはそれとは異なる職種です。このブレが気になって話を深めていくと、食関連の仕事に興味があるが、休みの希望が合致しないので除外せざるを得なかったということに行きつきました。

そういう情報は応援室内で共有しており、その後まもなく企業開拓員の山崎が、「いい求人が出ました。Iさんにピッタリでは?」と提示してきたのが現在お勤めの飲食店です。

Iさん いただいたのは飲食店の接客の仕事で、「土日祝休み、7:00~17:00のうちの5時間でも可」という内容のパートだったので応募しました。面接では、調理現場での経験があり、食品や調理器具の取り扱いにおける知識や経験が豊富なこと、料理やお菓子作りが得意なことをアピールしました。すぐに採用していただき、2025年2月半ばからその飲食店で働いています。

藤本 Iさんは商品開発を任されているそうで、企業さまも「Iさんはすごく戦力になっています。よい人材に出会えました!」と、大変喜んでいらっしゃるそうです。

憧れのパティシエを目指して

――入社して半年あまりですね?具体的にどのような業務を任されているのでしょうか?

Iさん 主にスイーツ部門を任されていて、私が作った商品を数種類販売しています。こちらから提案したり、上司から「こんなスイーツができないか?」と言われたもののレシピを考え、試作します。実際に販売になり注文が入ったり、お客様がおいしいそうに召し上がる姿や、SNSに投稿してくださったりするのがうれしいです。とてもやりがいがあります。

藤本 お菓子作りが好きというお話は聞いていましたが、仕事とは別のこととして考えておられたように思いました。短期アルバイトとしてチャレンジしてみる気になったのかもしれませんが、そこにズームできたことがよかったです。

 「個人のキャリアの8割は偶発的な出来事から生じる」という【計画的偶発性理論】というものがあり、今回まさにそれを感じました。①好奇心、②持続性、③楽観性、④柔軟性、⑤冒険心という五つの行動特性からなるものですが、Iさんの想いや行動が好機に結びつきました。

Iさん お菓子作りを仕事にすることに憧れていましたが、自分には手が届かない世界だと思っていました。それが、飲食店の接客係で応募して、憧れていたお菓子作りをしているのですから驚きですね。  試作をし、良いものができるまで情報を集め、レシピにする過程は時間もかかりますが、新しい発見がたくさんあってすべてが学びとなります。とても楽しく充実した毎日です。

――高知家の女性しごと応援室を利用してみて、感想をお聞かせください。

Iさん ゆっくりと会話をする中で、モヤモヤの根本となっているものを引き出してくださいました。

 また、社会保障のことも詳しく教えていただいたこともありがたかったです。扶養内の働き方、〇〇円の壁など、よくわかっていなかったことも理解できました。

 さらに、藤本さんをはじめ、女性のしごと応援室のみなさんが一丸となって私に合う仕事を探してくださいました。なかなか希望条件に合う求人がなく、私が諦めかけていても少しでも私に合う求人がないかとたくさん調べてくださり、感謝の思いでいっぱいです。また、会社見学へ同行してくれたことはとても心強かったです。

実は、今回の求人は自分でも見つけていて、「勤務時間:7:00~」というのが最初にあったので「ああ、無理だな」と諦めていたんです。しかし、私が見落としていた備考欄の一文をきちんと読み、その部分を踏まえて勧めていただきました。本当に感謝しています。

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